TGS 2017感想(1日目)

オタクではあるんだけど、しかし自分でも思うけどそこまで深遠まで行けていないとどのつまりサブカル好き人間としてのTGS2017講演感想。



(E3はゲームソフトのお披露目会に対して、この感想はTGS初日ビジネスデイでの幾つかの講演についての感想です)



9/21
10:30~12:00『日本におけるe-Sportsの可能性』
3


当然の如く、海外と日本のプロゲーマーの土台が違う事。


企業がサポートするには、そもそも認知してる人口が欲しい
 ↓
そこで広告などから収益を出しゲーマーに還元(既に海外で確立されてる)
 ↓
だから日本でも(今やゲームは『観る』というスタンスまであるそうで
いわゆるゲーム実況など)
YOUTUBUなりそういうところから人を集めれば良いんじゃない?


が海外講師方のお言葉であった。


理論上はそうだけど、そもそも絶対数が小さい日本で広告から収益が出せるのか疑問だし、未だにゲーム=おもちゃという考えはあるのではないだろうか。
今の社会人が、どんなにゲームがうまくてもそれでは食っていけない=趣味
という道を歩んできてしまったので、そういう意味では早い段階からプロゲーマーの生活保障を確立して、なんとなしにゲームに触れた子供に夢を持たせられれば良いなぁと年寄りは思いました。


ちなみに今年オリンピックに承認されたe-Sports。(競技決定とは言ってない)
その事にも登壇者たちの意見が述べられていましたが、これには皆さん否定的意見でした。要点をまとめると


・そもそも競技するゲームごとによってルールが違うわけで、ゲームに詳しくない一般人が観たってついていけないだろう


・IOC「殺戮(ゲー)なんて放送できるわけないだろ!」


・(これは13時~ビジネルサミット内での河崎氏)
『e-Sports』の『スポーツ』などに盛り上がっているけど、やっぱり今までのスポーツとは違うし、どちらかというと将棋大会の方が近いよね


などの意見で、必ずしも畑違いの分野を別の分野とくっつけなくても良くない?でした。古のオタクなので(ゲーム=オタクの考えも相当古いが)そこまで一般人に広めなくても良いよね…?好きな人だけやれば良いし。


…と思うんだけど、そうなると冒頭のゲーム認知度を上げるには
やっぱり一般人の目につくビックな大会が一番効果的なのかなぁ、とも。


海外は既にそこまでしなくても、ゲームはゲームで確立してるから良いとして、日本のゲームに対するイメージをスタイリッシュなものにする、という意味では多少は顔を出さないといけないというか手っ取り早いというか。


個人的感想をまとめると、野球やサッカーもスポーツだけど、見てる人たちはそれを楽しんでる。つまりエンターテイメントですよね。ゲームもやっている人たちだけが楽しいのではなく、それを見て楽しむことが出来る世界に来ていると思うので、今後ゲーム業界が良い方向へ行けば良いなぁと願うばかりです。
ただ既にe-sportsの利権団体が日本で3社も出来ていて、そういう(全部が全部そうではないですが)摂取するゴミは取り除けると良いナァ。


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13:00~14:30『ゲームのデジタル流通』
4

パッケージ版とDL版、中小開発メーカーのあり方についてのお話でした。


今時はパッケージ版は、コストもかかるし在庫も管理しないといけないのでDL版は全てカバー出来る!更にはメーカーとユーザー間の直接やりとりになるので、パッチ修正も行えるしユーザーの意見も聞きやすいそう。


スマホゲーは日本では流行っているが、海外はいまひとつだったのがここにきてようやく流行始めてきたようで、SNSなどの口コミからユーザーをゲットできるように頑張りたいそう。
向こうでも若者のTV離れは顕著なようで、TVでCMするよりはSNSが強いらしい。
それにスマホゲーのユーザーは老若男女やろうと思えば出来るので強みだしね。


CSゲーム(コンシューマー/家庭用ゲーム機)ユーザーを引き入れるならコラボすれば良いんじゃね?と安直に考えてみる。
しかしCS側(CSメーカー)がユーザーを取られる恐れもあるので、大手でもコラボを考えるでしょう。(カプコンはほいほいあちこち行くが)


まぁ今後もどちらが後退するでもなく、スマホゲー市場は拡大するでしょう~な流れで、カプコン社長がこんな発言を。


「でも僕はスマホゲーについては皆さんと少し違って、スマホゲーをやっていた人が今度は大きな画面でゲームをやりたいと思うことはあるのではないでしょうか。映画を観たいと思ったら映画館に行くでしょう?」


突っ込みどころ満載ですが
まずスマホゲーをやってるユーザーにも最低2パターンあると思うわけです。


一つは、CSゲームを買う余裕のない家庭のお子さんや人たち。
PCですらスマホ一つで間に合うような現代社会で、スマホはある種必要最低限の持ち物。対してCS・PCは贅沢品なのかもしれない。
そこでCSに興味お金があれば「CSに行ってみようかな」と思うかもしれないけど、現実それがどれだけいるのだろう…。少子化も進んでるし。
CSゲーとスマホゲーの操作性はかなり違うわけで、そのCSの操作を若い子供の頃は何の苦もなく出来るけど、それこそ財力を手にした大人になってからあの操作が出来るのだろうか。私はもともと特別上手いわけでもなく、ただ好きでCSゲームで遊んでいただけの人間ですが、やっぱり加齢と共に動きは鈍くなるし頭の回転が落ちたなぁ、とまざまざと感じます。この歳まで遊んでるなよ、って気もしますが。


二つ目は上記の通り、元はCSで遊んでいたけど大人になって時間体力がなくなり、手軽に遊べる・快感を見出す術がスマホゲーになっているユーザーたち。私かな?

ただスマホゲーをしているからと言って、その時間がもともとCSゲームの時間と被っていないという事(※私は)
スマホゲーをしているのはあくまで『待ち時間』でのプレイであって、そもそもその時間はCSゲームはやっていないし、逆にCSゲームをやれるだけの時間があったとしても、体力がなくてCSゲームをやろう!にはなれないし、かといってスマホゲーもしていない件。
根本的に重なっていないけど、まぁこれが人によっては完全にスマホゲーに移行してるパターンもあるのだろうけど。


社長の「CSをやりたい思う人が出てくるかもしれない」は勿論0ではなく、その可能性は確かにあるでしょう。でもそんな憶測で大丈夫か?
それでも社長がこのスマホ勢力が強くなってきている(と私は思う)時代に、CSを残したい気持ちがある事が分かっただけで満足しました(努々会社を潰すなよ…)


それと興味深かったのが、基本無料「World of Tanks」の会社CEOが「お金で取った勝利には何の意味も無い」とのお言葉。要は課金ですね。
その方は課金について全否定で、金を出してしまったら最早それは『ゲーム』ではなくなるという意見にほほ~と思いましたが、ただこれはお国柄が出る気がしますよね。


海外は勝敗=課金なのかもしれませんが、日本で度々問題になっている課金はキャラ収集なのかなと。
勝敗の決め手となる課金は、個人の問題というよりはメーカー側の理念やルール整備次第でどうにかなると思いますが、キャラ収集による課金についてそのCEOに聞いてみたかった。


個人的には違法性があるガチャ確率なんてのは論外ですが、それ以外は個人の責任であり会社にお布施が出来るなら好きにすれば良いのでは、と思っています。


インターネットが普及したことにより、何でも手軽に低価格、なんなら無料で欲しいものを入手できる時代は素直に楽しいですが、価値は大切にしたい。あんまりにも高額で涙ちょちょぎれる事も多々ありますが、なんでもかんでも手に届く範囲のものではありたくない。どんなものでも、ひいてはその作り手さんらを大切にしたい、とは忘れずにいたいと思っています。


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16:00日本ゲーム大賞 「経済産業大臣賞」「年間作品部門」発表授賞式

大賞
・ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(Nintendo Switch/Wii U)     任天堂

優秀賞に11作品
・Overwatch(PC/PS4)     スクウェア・エニックス
・ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(Nintendo Switch/Wii U)     任天堂
・NieR:Automata(PC/PS4)     スクウェア・エニックス
・仁王(PS4)     コーエーテクモゲームス
・バイオハザード7 レジデント イービル(PC/PS4/Xbox One)     カプコン
・人喰いの大鷲トリコ(PS4)     ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・ファイナルファンタジーXV(PS4/Xbox One)     スクウェア・エニックス
・ペルソナ5(PS4/PS3)     アトラス
・Horizon Zero Dawn(PS4)     ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・ポケットモンスター サン・ムーン(3DS)     ポケモン
・モンスターハンターダブルクロス(3DS)

これと合わせて読みたいのが
『ニーア、ペルソナ等の人気ゲーム開発者が激論! 国内ゲーム産業を支える40代クリエイターの苦悩とは【SIE外山圭一郎×アトラス橋野桂×スクエニ藤澤仁×ヨコオタロウ】』

上記の受賞作品の売上向上と、記事によれば
近頃国産CSゲームの売上が良い、とのこと。
喜ばしいことですが、しかし受賞作品のナンバリングを注目すると
ほとんどが続編シリーズものであるのは、素直に喜んでいいのか謎である…。
(個人的にはあまり志も高くないので満足してしまうけど)
先のゲーム業界を考えると、調子に乗らず新規IPの開拓を頑張ってほしい。

(かつて子供だった人が、大人になってこれら続編が投入されたことによって里帰りしてきたように見ようと思えばそう思えてしまう。勿論、里帰りするだけの良く出来た作品に仕上がっていたのは言うまでもないだろうが)

余談ですが
12人の現役クリエイター(上記記事の連中も何人か入っていた)が選ぶゲームデザイナーズ大賞にPlaydeadの「INSIDE」(PC/PS4)が受賞し、遠路はるばるこの為にデンマークからやってきた開発者さんはド緊張しつつ、『日本のこのような素敵なクリエイター方と同じ空間を共に出来て大変嬉しい』的なカンペ(メモ用紙)用意するも、手も声もぶるぶるで、これまで講演会でふんぞり返って(注釈*1)慣れてペラペラ喋っていた外人達とは大違いな、生粋のTHE開発者、といったシャイぶりが可愛く、そして大変嬉しそうで見ているこっちまで感動しました。

(*1 どうも海外ではふんぞり返って(ソファに深く腰かけて片足の足首は、もう片方の膝の上に足組む)話を聞くスタイルは、むしろ腰を落ち着かせて相手の話を聞いているよ。というスタンスらしい。足を下ろしてしまったら、もう帰りたいのかな?と思うレベルだそう。文化の違い面白過ぎて草)


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20:00『CAPCOM TV』
昔からこの番組のノリが苦手で、しかし無いと分かっていても未公開情報があるかもしれない…!と、相変わらず苛々しながら観たんですが、やっぱり何も無かったです。1時間頑張った…。


でもニコニコ生放送のコメントで、モンハンワールドがPS、XBOXで出る事に対してSwitchユーザーがしつこくブチギレていたのが面白くてですね…。


任天堂製品買ったくせにあのスペックのゲームをやらせろ~!と言える事に時代を感じました。そら歳もとる。


何の為に各会社からそれぞれハードが出ているのかと。昔から任天堂は良い意味で、低スペック、しかし高画質()に拘らずシンプルに遊べることを持ち味にしているのは常識だと思っていたPS2世代の人間ですが(PS1時代はまだスーファミで遊んでいた)そもそもやりたいソフトがあるならハードを買えよ!!
PSP版TORの為にPS2で同じゲームをなんべんもやったけどPSPを買ったし、後にも先にもトモダチコレクション専用機となってしまったDS Lite、PS3版DMC HDに進行不能バグ知ってXBOX360、DMC4SEの為にその後安くなる情報が既に出ていて知っていたけど待たずにDMC4SEと一緒にPS4を買ったBBAがここにおるんやで!(そんな目で見るな!)

(思うにCSを支えてきたのは、こういう↑バカが往々にしているのかもしれない。最近の若者の方が冷静に判断して頭良いもの。そのクールな若者に興味を持たせるのが課題か)
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2017年はこんな具合の日本ゲーム業界でしたが、来年またどうなっているか、この記事を読み返して変貌ぶりを感じたいなぁと思う2017年TGSでした。


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